太陽回帰について①

“魂の再構築”の1年──太陽回帰図が照らした、学びと問い

太陽回帰(ソーラーリターン)とは、1年に1度、トランジット太陽が出生図の太陽とぴったり同じサイン・度数に戻ってくる現象のこと。
その瞬間に作成されるチャートは「太陽回帰図」と呼ばれ、誕生日から向こう1年間の運勢やテーマを読み解くために使われます。
ちなみに、太陽回帰の日時は、出生日・出生時刻と毎年ぴったり同じになるわけではなく、少しズレが生じます。

太陽回帰図は、1年間の活動や関心の領域、体験の背後にある心理的変化や内面の成長を表しているとされています。
西洋占星術の講座で教わった読み方など、いろいろ試してみましたが、私としては、出生図を読むようにリーディングするのが一番しっくりきますし、当たっている感覚もあります。
インターネットで「太陽回帰図の読み方」を検索してみても、皆さんそれぞれの方法で読んでいるようなので、決まった読み方はないのかもしれません。
ただ、イメージを紡ぐような感覚で、あまり細かく読みすぎないことがポイントかなと思っています。

1.太陽回帰図の読み方─私なりのアプローチ

では、早速太陽回帰図の読み方を見ていきましょう。

① 太陽回帰図のASCをチェック。
  この1年、どのように自分を押し出していくか、どう社会と関わるかがわかる。
② 太陽回帰図のASCの支配星をチェック。
  この1年、どこに自分を押し出していくのか展開的な動きがわかる。
 太陽回帰図の太陽をチェック。
  この1年の活動・関心の領域がわかる。
 太陽回帰図の月をチェック
  この1年の心理的傾向がわかる。
⑤ 出生図の月は、太陽回帰図のどこのハウスに入るかをチェック
  そのハウスの事柄が1年の課題となる。
⑥ 太陽回帰図のMCをチェック
  この1年頑張った結果、どういう成果が得られるのかわかる。
⑦ その他、チェックすべきところ
  アングル上の天体、逆行、ノー・アスペクト、出生図と同じアスペクト、偏り、強調など
⑧ 太陽回帰図内円、出生図中円・トランジット外円にして重要なタイミングを見てみる。

緩いアスペクトやソフトアスペクトはスルーしています。

2.実際に太陽回帰図を読んでみる+結果と照らし合わせ

上記は、2024年の私の太陽回帰図です。
1年前のメモを元に、ブログ用に補足説明を加えながら、実際の出来事と照らし合わせてみたいと思います。
ただし、出生図と同じように読むとはいっても、太陽回帰図に合わせて解釈を変えている部分もあるので、
もし出生図に同じ配置があったとしても、そのまま当てはめる事はしないでください。

太陽回帰図の読み方

① 太陽回帰図のASC水瓶座─“空気を読まない”自由への試み
ネイタルASCが天秤座の私は、他者からの評価や思惑を無意識に気にしてしまう傾向がありますが、2024年は、敢えて空気を読まずに、自分らしさを自由に追求することがテーマになるのかもしれません。
結果と照らし合わせ
自分を自分たらしめている枠組みを打ち壊し、自由になろうと踠いていた1年でした
② ASC支配星・天王星と木星のコンジャンクション─“学び”を通じた自己探求
ASCの支配星である天王星は3ハウスにあり、木星とコンジャンクション。
自分らしさの追求が、学びの場に広がっていく可能性を示しています。
ただし、3ハウスのカスプは牡牛座。
知識や情報をガンガン取り入れるというよりは、実体験や感覚と知識をじっくり照合していくような学び方になりそうです。
3ハウスの支配星が1ハウスに流れていることから、それが自己理解へとつながっていく流れも見えます。
結果と照らし合わせ
桐吉謳子先生の「支配星講座」を受講し、自分に備わった資質を一つひとつ丁寧に見つめ直すことで、深い自己理解へとつながりました。
③ 太陽1ハウス─“自分の在り方”と向き合う時間
太陽は1ハウスにあり、自分の在り方が重要なテーマに。
5度前ルールを適用すれば2ハウスとなり、収入や金銭的なことも意識せざるを得ない配置です。
ただ、太陽はノーアスペクトで、方向性が見えないまま自問自答を繰り返すようなフラストレーションも感じられます。
また、1ハウスの魚座と7ハウスの乙女座がインターセプトされており、
火星・土星・金星・海王星が魚座に閉じ込められていることから、やる気・自制心・喜び・癒しなどが出にくい状態に。
抑うつ感がある配置なので、もしかしたら軽い鬱状態になってしまう可能性もなくはないかも。
結果と照らし合わせ 
「自分はこれからの人生どう生きたいのか」という問いを悶々と繰り返し、才能や収入についても真剣に考えていました。
ペットロスの影響もあり、人と会うのが億劫になり、やる気も出ず、楽しみも感じられない日々が続いていました。
④ 8ハウス・バイア・コンバスタの月─“精神的な逼迫”
月は8ハウス蠍座、しかもバイア・コンバスタの領域にあり、精神的に逼迫している様子がうかがえます。
さらに、12ハウス水瓶座の冥王星とスクエアを形成しており、遠隔からの見えない敵による攻撃やマウンティングの可能性も。
この月と冥王星のスクエアは出生図にもあるアスペクトで、「母親との関係」や「支配・コントロール」のテーマが浮上するかもしれません。
結果と照らし合わせ
月が“死のハウス”である8ハウスにあること、そしてバイア・コンバスタの領域にあることが、ペットロスによる心の痛みをよく表していたように思えます。
それと、見えない敵からの攻撃というよりは、常識や感覚のズレた相手の言動に、じわじわとストレスを感じる場面が多かったように思います。
出生図の月が5ハウスへ─“自己表現”の課題
出生図の月は、太陽回帰図の5ハウスに入ってきます。
この配置は、自己表現やエゴといったものが1年の課題となることを示しています。
結果と照らし合わせ
他者から見た正解を探すのではなく、「自分はどうしたいのか」ということを考えていました。
⑥ MC射手座─“精神的な成長”と知識の実用化
MCは射手座で、支配星の木星は3ハウスに。
社会で役立つ知識を身につけ、精神的に大いに成長できる1年になりそうです。
柔軟宮なので、ここがゴールではなく、まだ階段の途中──自己実現に向けて着実にステップアップしていく流れです。
結果と照らし合わせ
長年悩んでいたことに、「もしかしたら、こういうことなのかもしれない」と自分の中で答えが見つかりました。
それがMC射手座の象徴する“精神的な成長”なのかもしれません。
インターセプト・ノーアスペクト・風のサイン─“被害妄想”
風のサインが1つしかないこともあり、深刻に考えすぎて被害妄想気味になる可能性も。
結果と照らし合わせ
太陽と水星はインターセプトされていないため、仕事や勉強はきちんとこなせていました。

3.2024年太陽回帰図まとめ─“太陽を手放し、再構築する”というテーマ

ざっくり言うと──
ネイタルの太陽の上で月蝕が起こり、太陽を手放さなければならなくなった私が、
その喪失を経て、太陽=自分自身の在り方を再構築していく。
それこそが、2024年の太陽回帰図に込められていたメッセージだったのではないかと思います。
この1年は、問いと葛藤、そして静かな変容の連続でした。
太陽回帰図は、単なる運勢の予測ではなく、魂の深層に触れる鏡のような存在なのかもしれません。
2025年の太陽回帰図も、また面白い配置になっていました。
後編という形で、改めて綴ってみたいと思います。

error: このコンテンツのコピーは禁止されています。