ショックすぎる出来事がありました。
とある公演の1列目の席という奇跡のようなチケットを持っていたのですが、その公演が中止になってしまったのです。
公演中止の理由は「主要な出演者の体調不良」。
公演中止を決断することは、運営側にとっても相当な覚悟が必要だったはずで、その重さと事態の深刻さを感じました。
実は、この公演中止の少し前から、出演者の怪我による休演があり、代役体制でなんとか公演を成立させている状況でした。
お芝居のほうは代役、ショーのほうは複数の出演箇所を分担して回すような、負荷の高い体制。かなり無理のあるぎりぎりの状態が続いていたと思われます。
そんな中での「主要な出演者の体調不良」。
どなたなのかはわかりませんが、本人が一番責任を感じているだろうと想像すると、胸が痛みます。
そんな状況の中で、私は3日後に観劇予定を入れていたため、どうしても状況を確認したくなり、そこで、ホラリーチャートを立ててみることにしました。
■ 今回の質問

質問:
「●●日の公演を私は無事に観ることができるのでしょうか?」
ここでの“無事に”は2つの意味を込めています。
- 公演そのものが開催されるか
- 私自身の体調(数日前から喉の違和感があった)が持つか
■ シグニフィケーターの確認
●私自身:火星(山羊座・9H/エグザルテーション)
山羊座火星はエグザルテーションで非常に強い状態。
体調面については「持ちこたえる力がある」と読めます。
●公演:太陽(山羊座・9H)
山羊座の太陽は「責任」「義務」「社会的役割」を象徴します。
9ハウスは太陽のジョイで、太陽が最も自然に働ける場所。
この配置からは、役割を果たすために、責任をもって意志を貫こうとしている”姿が読み取れます。
●状況・結果:月(魚座・11H)
魚座の月は「献身」「協力」「共感」。
11ハウスは仲間・協力者。
そこからは、出演者・スタッフ・ファンが「どうか成立してほしい」と願っているような様子がうかがえます。
■ パーフェクション
- 月→太陽(公演)セクスタイル
- 月 → 火星(私)セクスタイル
まず、月が太陽にアプライしている時点で、公演そのものに関するパーフェクションが成立しています。そのうえで、月は火星(私自身)にもアプライするため、
ここでトランスファー・オブ・ライトが起きています。
つまり、
・公演は成立するのか(太陽)
・私の体調は大丈夫か(火星)
という2つの意味に対して、月がそれぞれに光を届けている構造になり、
二重のイエスとして読める形になっていました。
■ しかし、現実は厳しかった
正直、状況にそぐわないほどポジティブ、かつ肯定的な答えに、どこか腑に落ちない感覚がありつつも、私はその“イエス”を信じることにしました。
(だって、信じたいんだもの。)
ところが、届いたのは無情な「公演中止のお知らせ」。
あれほどイエスを示していたのに、なぜ?
■ 原因の検証:シグニフィケーター選定の誤り?
テキストでは「公演=5ハウス」とされることが多く、私も疑わずに5ハウスを採用しました。
たしかに、公演を“娯楽として楽しむ”という文脈なら5ハウスで問題ないのかもしれません。
たとえば「このライブ楽しめるかな?」「映画デートうまくいく?」といった質問は典型的に5ハウスです。
でも、今回の私はワクワクした気持ちでチャートを立てたわけではなく、
「無事に幕が開くのか」「出演者は大丈夫なのか」という不安のほうが大きかったのです。
こうした“成否そのもの”を問う場合は、5ハウスではなく10ハウスの管轄になるのかもしれません。
■ 本質的には10ハウスのテーマだった?
10ハウスは「社会的成功」「公的な成果」。
おそらく、今回の問いの本質はこちらだったのではないでしょうか。
そのロードである土星(魚座)は、よりによって12ハウスに在ります。
12ハウスは伝統的に「不運」「犠牲」「病院」「隔離」「見えないところでの問題」など、
物事がスムーズに進まない象意を強く持つ場所です。
占星術師なら、10Hロードが12Hに在るのを見た瞬間に、
“これは難しいかもしれない”と直感するような配置です。
なお、ここで出てくる12ハウスの象意は、
ホラリー特有の“事象の成否”に強く反映されるもので、出生図ではまったく別の意味として働きます。
出生図の12ハウスは、むしろ「内面」「無意識」「見えない領域」などを示すことが多く、
今回のような“隔離”や“病院”といった象意がそのまま出るわけではありませんので、どうか心配しないでください。
話を戻すと、10ハウスのロードとして読んだ場合、上記の理由に加えアプライもなく、
「公演が無事に成立する」方向へ向かう兆しはほとんどありませんでした。
■ 出演者(7H)を見てみると?
7Hロード=金星(山羊座・9H)。
7ハウスは「相手役」「出演者」「向こう側の当事者」を示すハウスです。
太陽に近く、コンバストという状態で力を大きく失っています。
月は金星とのセクスタイルからすでにセパレートしており、
そこからは「ギリギリまで頑張ったけれど……もう限界だった」という様子がうかがえます。
そして9ハウスに火星・太陽・金星が一堂に会しているのも象徴的です。
9ハウスは「祈り」「願い」「信念」などを象徴する場所。
ファン・公演・出演者が、それぞれの立場から
“どうか幕が開きますように”と願っているかのような、
まるで全員が同じ宙の下でそっと祈りを重ねているような配置でした。
■ まとめ
「公演=5ハウス」という教科書的判断を、そのまま当てはめてしまったのが反省点です。
質問の本質を見極め、適切なシグニフィケーターを選ぶことの重要性を、あらためて痛感しました。
今回は自分自身を占ったチャートだったので、どこを読み違えたのかを振り返るのも興味深い経験でしたが、これがもしお客さまのご相談だったらと思うと、冷や汗が出ます。
ただ、本音を言えば、2025年のハイライトが消えてしまい、今はただただ悲しい気持ちです。
それでも、この経験はホラリー技術の大きな糧になりました。
このホラリーチャートにおいて、私自身が9ハウス山羊座の火星として表現されていたことも象徴的でした。
今回の出来事は、まさに9ハウス的な“学び”として深く刻まれ、
ホラリーの技術を大きく前進させてくれたと感じています。
……でもでも、やっぱりショックだーーーーーーー。

