先日、「西洋占星術 完全バイブル」日本語版刊行記念の講座『逆行天体の秘密』を受講しました。
講師はキャロル・テイラー先生、通訳は鏡リュウジ先生。
自分の出生図を深掘りするための知識が増えて、とても楽しい時間でした。
講座の熱が冷めないうちに、今回は「逆行天体」について、自分のチャートを通して考えてみたいと思います。
なお、この記事は講座の内容をネタバレせずに書くため、振り返りというよりは個人的な考察が中心です。
1.逆行天体とは?
太陽と月を除く8天体(水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星)は、周期的に逆行します。
(ただし、地球から見て逆に動いて見えるだけで、実際に逆に動いているわけではありません。)
逆行の頻度や影響範囲などを表にまとめてみるとこんな感じです↓
| 天体 | 逆行頻度 | レア度 | 影響範囲 |
| 月 | 逆行なし | – | – |
| 太陽 | 逆行なし | – | – |
| 水星 | 4か月ごとに22日程度 | 個人 | |
| 金星 | 1年半ごとに40日程度 | 〇 | 個人 |
| 火星 | 2年2か月ごとに60日程度 | 〇 | 個人 |
| 木星 | 1年ごとに110日程度 | 社会 | |
| 土星 | 1年ごとに135日程度 | 社会 | |
| 天王星 | 1年ごとに150日程度 | 世代 | |
| 海王星 | 1年ごとに160日程度 | 世代 | |
| 冥王星 | 1年ごとに160日程度 | 世代 |
2.逆行天体の基本的な影響
逆行中の天体には、以下のような影響が出やすいとされています:
- 見直し、やり直し、振り返り、復習、点検
- 延滞、延期、遅延、中止
- 再開、再熱、復縁、復活、再浮上、再認識
この記事を書いている2023年4月27日現在、水星が逆行中で、交通遅延や通信トラブル、伝達ミスなどの話をよく耳にします。
3.ステーション(留)というタイミング
逆行の開始・終了時には、天体がほぼ動きを止めているように見える期間があり、これを「ステーション(留)」と呼びます。
むしろ逆行そのものよりも、このステーションに注目する占星術家もいるようです。
過去のステーションのタイミングを追っていくと、戦争や歴史的事件、災害、事故、文化的転機などのきっかけとなっていることもあるとか。
個人の出生図にステーションがある場合、その天体の象意が強調されると解釈されるそうです。
ちなみに私は……ありませんでした。ちょっと残念な気持ち。
もし、自分の出生図の天体がステーションなのか知りたいという場合は、逆行の開始・終了時を天文暦で確認してみると良いでしょう。
4.私の逆行天体と「内省的な傾向」
私の出生図では、金星・土星・天王星・海王星・冥王星が逆行しています。
逆行天体が多い人は「内省的」な傾向が強まるそうです。
「内省的な人」とは、出来事に対して自分の言動を深く顧みることができる人。
反省して「どこがいけなかったんだろう」と精査するので、どうしても“3歩進んで2歩下がる”ような感覚になりますが、後々力がついてくるタイプなのかもしれません。
5.逆行天体がない人の印象
逆に、逆行天体がまったくない人は「素直な人」が多いと言われています。
私の周りにも何人かいますが、まっすぐで空気を読まない感じ。
「それ言っちゃって大丈夫?」ということも平気で言うので、見ていてハラハラすることもあります。
だからこそ天体の持つ力が撓められることなく、ストレートに発揮されるのかもしれません。
6.金星と土星の逆行──私にとっての意味
キャロル・テイラー先生は「出生図におけるトランスサタニアン(天王星以降)の逆行は気にしなくていい」とおっしゃっていたので、今回は金星と土星の逆行に注目してみます。
私の金星は牡羊座、土星は獅子座。どちらも「デトリメント(品位が悪い)」の状態です。
品位とは、天体がそのサインにいて居心地が良いかどうかを示すもので、デトリメントだと「力を発揮しにくい」「そのサインの感覚が弱くなる」とされます。
そこに逆行が加わると……なかなか複雑です。
7.土星逆行:責任と承認欲求のせめぎあい
土星は10ハウス獅子座で逆行。
「いつまでも子どもでいたい」「責任を取りたくない」という気持ちと、「認められたい」「尊敬されたい」という欲求がせめぎ合っているような配置です。
土星は、私のIC(4ハウス)の支配星になるので、もしかしたら、家庭環境に由来する何かしらの刷り込みがあるのかもしれません。
8.金星逆行:女性性と自己表現の葛藤
私はASC天秤座なので、チャートルーラーは金星。
つまり、金星逆行は出生図全体に強く影響します。
金星は7ハウス牡羊座で逆行。
この配置では「女性的な役割やイメージについて、自分がどんな刷り込みを持っているか」を見直す必要があるそうです。
私には、「性格がきつく主張の激しい女は嫌われる。だから周りに合わせなければならない」という刷り込みがある気がします。
でも、同時にそれに強く反発する気持ちもあります。
ASC天秤座、1→7軸、7ハウス・西側強調による「周りに合わせたい私」と、牡羊座オーバーロードによる「ありのままの自分でいたい私」とのせめぎあい。
その結果、「もう面倒だ〜」とパートナーシップや対等な関係を築くことを放棄してしまうこともあります。
9.逆行天体は見ない?でも私は見る
逆行天体を重視しない占星術家も多いようですが、講座のサンプルリーディングを見る限り、かなり強い影響が出ているように感じました。
特に、チャートルーラーが逆行している人は、一度じっくり見てみる価値があると思います。
出生図の逆行天体の解釈には、「核心的な真実を求めて何度も試みること」とありました。
私の場合、キロンも7ハウスにあるので、パートナーシップや対等な人間関係を築くために、トライ&エラーを繰り返す──それが私の人生なのかもしれません。
10.最後に:逆行天体と向き合うということ
パトラッシュ、僕はもう疲れたよ……
そんな気持ちになることもあるけれど、逆行天体が教えてくれるのは「内側に向かう力」なのかもしれません。
何度も立ち止まり、振り返り、やり直す。
そのプロセスの中で、少しずつ本当の自分に近づいていく──そんな旅路を、私は歩いているのだと思います。


