キロンについて③(最終回)牡羊座キロンの私の話

「キロンって所詮小惑星でしょ。」
そう思っていたので今までキロンをまともに見てきませんでした。
ところが、キロンを深掘りしていくと、「本当にやりたい事がわからない。」という私の長年の悩みがどこに根ざすものなのかについて気づかされました。
もし10天体をきちんと読んでいるにも関わらず、腑に落ちないモヤモヤが残るという人はキロンを深掘りしてみると何かヒントが得られるかもしれません。
ただ、そうはいってもキロンは小惑星でしかないのでいきなりキロンを深掘りするのではなく、基本の10天体を読んだ上でキロンで隙間を埋めるような感じの読み方をしていくと納得感を得られやすいのではないかと思います。
傷は、唐突にキロンにだけ表れているのではなく、10天体をみてもやはりそういう動きになっていることがわかります。

さて、前々回は天文学におけるキロンとギリシャ神話のキロン、前回はキロンの象意などについて追っていきましたが、今回は私の出生図のキロンを使って具体的に考えてみます。

牡羊座のキロンについて


私の出生図ではキロンは牡羊座にあり、アイデンティティやリーダーシップに関する傷となるようです。リーダーシップはアイデンティティという土台があってこそやれるものなので、そう考えると牡羊座キロンの傷と癒しには段階があり、一次的にはアイデンティティの傷によって生じる事象に苦しむことになるかもしれません。
なので、ひとまずリーダーシップは置いておいて、アイデンティティについて考えていきたいと思います。

アイデンティティ(identity)を調べてみると、自己同一性と訳されることが多く、発達心理学や哲学において「自分は何者なのか」という概念をさし、発達心理学者・精神分析家エリック・エリクソンによる心理社会的発達理論の青年期に獲得すべき発達課題であるそうです。
「『自分は何者か』『自分の目指す道は何か』『自分の人生の目的は何か』『自分の存在意義は何か』など、社会においての自分の役割や位置づけを認識できるようになるのが、「アイデンティティの確立」。それがうまくいかない場合は、「アイデンティティの拡散」という事態になってしまうこともあるそうで、そうなると、「自分は何者か、自分は何をやりたいのか」という認識がぼんやり曖昧なので、進学、就職、結婚など人生の岐路で主体的に選択・決断できなくなります。
その事がさまざまな生きづらさや問題につながってしまうようです。
(ザックリの説明なので、詳細は「アイデンティティの拡散」などで検索して下さい。)

キロンは牡羊座に約8年滞在します。
その間生まれた人がみんなアイデンティティの確立がうまくいかないとは考えにくいので、自分らしさに自信がなく迷走しがちな自己主張控えめ世代といったような感じで、多くは世代全体の問題として表れてくるのではないかと思います。
けれど、牡羊座キロンの配置やアスペクト次第では、アイデンティティの確立がうまくいかないために様々な困りごとが生じるといった個人の問題として表れやすいということではないでしょうか。
(もしかしたら、牡羊座キロンでなくても、牡羊座の個人天体とキロンがハードアスペクトになることでも似たような問題が出てくるかもしれません。未検証ですが・・・)

前者は、「自分らしさに自信を持てない自分を否定せずに時間をかけて受け入れていきましょう。」というのがキロンの癒しになるかと思いますが、後者は、アイデンティティの確立にむけ具体的に取り組んでいくという感じになるかと思います。
私の場合、ASC天秤座、1→7、7ハウス・西側強調、太陽DSC合(5度前ルールで)などがあり、自分自身を他者に引き渡してしまう傾向など他人軸がかなり強めです。
おそらく、アイデンティティを確立すべき時期に、他者から見た自分や他人の意向を気にしすぎて、うまくアイデンティティを確立できなかったのではないかと思います。
その結果が今の「本当にやりたい事がわからない」につながるのではないかと思うので、私の場合、自分軸のトレーニングがもしかしたらアイデンティティの確立の手助けとなるかもしれません。

7ハウスのキロンについて

7ハウスにキロンがあるとパートナーシップや人間関係を通じて傷と癒しを体験することになるそうです。「自分は一体何者なのか自分自身を知る」という課題を自分1人でやるのではなく、人間関係を通じてやることになるようです。
基本的に私は単独行動ばかりです。
けれど、ここを頑張っていかないと人生の停滞からは抜け出せないのかもしれません。

天体とキロンのアスペクトについて

私の出生図のキロンは、他の天体とアスペクトがありません。
強いて言えば、ドラゴンテイルとのゆるゆる合があるくらいです。
キロンとドラゴンテイルのアスペクトがあると、「大人になってから生じた問題は子ども時代に起因していると考える。ストレスがかかると親のせい、社会のせいだと言い訳する。」となるそうです。
確かにそういうところは否めません。(…ちょっと反省)

キロンと天体がハードアスペクトを形成していると、天体の力が弱められたり、その天体のテーマで厳しい体験をすることもあるようです
私の場合アスペクトはないものの、キロンと同じ牡羊座サインには太陽・水星・金星・ドラゴンテイルも入っているので、牡羊座サインの性質にキロンの傷が間接的に影響を及ぼしているのかもしれません。

キロンの影響を受けやすい配置

キロンが影響を受けやすくなると言われる配置はこちらです↓ 
 ☆ 1・4・7・10ハウスにある
 ☆ 太陽・月とアスペクトしている
 ☆ チャートルーラーとアスペクトしている

キロンは、土星と天王星との架け橋

キロンは、土星と天王星の間に軌道を持つことから、2つの天体の架け橋になるとされています。
私は2ハウス蠍座に天王星があります。
2ハウスに天王星が入る時のテキスト的解釈だと、「収入に変動があり安定しない」とか「時代の最先端をいくオリジナルな方法で収入を得る」などです。
リマーナすず先生には、「突拍子もないもの。コンピューター占星術とか」と言われました。
でも、実際の私は経理的事務員をして毎月決まった給与を得ています。
それが今まで謎だったのですが、「キロンが土星と天王星の架け橋になる」ということで説明がつきそうです。
土星は社会的秩序やルールを表す天体なので、どのようにして社会に受け入れてもらうか、そのために自分に課す制限や我慢というような見方もできます。
私は、10ハウス獅子座土星なので、目立たないように自分の能力や個性を抑えることで、集団に入れてもらって安定した生活を得ているところがあります。
もし、私がアイデンティティを確立することができリーダーシップをとれるようになったら、土星をぶち破って天王星にたどり着けるのかもしれません。
そうなったら、みんながあっと驚くような奇想天外な方法で稼ぐなどして、会社に縛られない自由な生き方をするようになるかもしれません。
そうするための能力はどうやって得られるかと言うと、私は今まで自分探しでありとあらゆる事を学んできましたが、実は能力や才能は自分の血の中に眠っていて、それは牡羊座キロンによって促される自己探究を通じて発掘されるという事なのかもしれません。

キロンのお話はこれでおしまいです。
tキロンがt木星と合の時に書き始めたせいか、無駄に長くなってしまいました。

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