西洋占星術と一口に言っても、本当にいろんなスタイルがありますよね。
私は桐吉謳子先生の講座で学び始めたので、サビアンシンボルを使わないスタイルが“当たり前”でした。
でも、他の流派の方とふれあう機会があると、「あ、占星術ってこんなにいろんな読み方があるんだ」と、ちょっと驚いてしまいます。
今回は、そのひとつ──サビアンシンボルのお話をしたいと思います。
この記事では、サビアンシンボルの意味一覧などは扱っていませんが、基本的にはサビアンシンボルを使わない私が、どんな場面なら使いやすいか、そしてなぜ使わないのか─そのあたりの“私とサビアンシンボルの距離感”を少し整理してみようと思います。
1.サビアンシンボルとは?その背景と特徴
サビアンシンボルは、黄道360度それぞれに象徴的なイメージが割り当てられた占星術の体系です。1925年、アメリカの占星術師マーク・エドモンド・ジョーンズと霊視家エルシー・ウィーラーによって創始されました。
ジョーンズが度数の書かれたカードを用意し、ウィーラーがそれを見ずにチャネリングのような形でイメージを語り、それをジョーンズが記録した──という経緯があります。
そのため、サビアンは「霊的なインスピレーションによって生まれた象徴」とも言われています。
※サビアンシンボルは、ホロスコープの度数より1度繰り上げて読むのが基本です。
たとえば「獅子座15度」と表示されていても、サビアンでは「獅子座16度」のシンボルを読みます。読み方に迷ったときは、「ホロスコープの度数+1」で探してみてくださいね。
また、「●●座●度」などで検索すると、詳しく紹介しているサイトも見つかります。
象徴の意味を知りたい時には、そうした情報も参考になるかもしれません。
2.サビアンの特徴と魅力
| とっつきやすい | 天体の度数に対応する象徴がすでに用意されているため、初心者でもすぐに読める |
| 取り入れやすい | 象徴をそのまま生かせる読み方におすすめ |
| 詩的で感覚に響く | 象徴が印象的で、直感的な気づきを促す |
| 言葉の力がある | イメージが広がりやすく、言葉によって気づきが起こることもある |
つまり、インスピレーションを活かし気づきを得るという読み方にはぴったり。
一方で、ホロスコープを構造から深く掘り下げたいときは、別のアプローチの方がお勧めです。
3.私の太陽で見る、サビアンとの距離感
私の太陽は、牡羊座7度。
サビアンシンボルは「牡羊座8度:東に向かって風になびくリボンのついた大きな帽子」です。
このシンボルは、自然界の流れや生命力を敏感にキャッチする力を表しているとされ、周囲の変化に対して、アンテナのように反応しながら、自分を調整していく感受性を示しています。
キーワードとしては、「刺激」「自然の潮流」「敏感さ」「キャッチする力」「環境との共鳴」など。
象徴としての美しさや詩的な響きはあるのですが、私はどうしても「なぜこの度数でそうなるのか?」という構造の背景が気になってしまいます。
そのイメージが本当に“合っている”のかどうか、私には確かめようがない。
イメージだけで進んでしまうことが、どこか怖い──
それは、私が「言葉の責任」や「構造の整合性」を大切にしているからかもしれません。
そして、この象徴をホロスコープの他の要素──
たとえばアスペクトやハウスなどと絡めて考察しようとしても、構造的なつながりが見えにくく、どう読み進めていけばいいのかがわからなくなる。
サビアンは、“答えらしきもの”をくれます。
ただ、私は、構造を確かな手がかりにして、ホロスコープというものをもっと深く読み解いていきたい。それが、私がサビアンを使わない理由です。
ただ、西洋占星術には注意すべき度数がいくつかあり、サビアンシンボルは使いませんが、度数は結構使っています。
4.まとめ:インスピレーションに委ねるか──それとも?
繰り返しになりますが、私にとって大切なのは、“どうしてそうなるのか”を知ることです。
サビアンシンボルには、詩的な美しさや、とっつきやすさなどの魅力があり、象徴をその場で受け取って完結するスタイルに向いています。
たとえば、太陽回帰図を1年後に振り返って答え合わせしてみると、アセンダントやMCのサビアンシンボルが、起こった出来事と不思議と一致していて驚くこともあります。
なので、私は、サビアンシンボルを否定しているわけではありません。
ただ、私は、“どうしてそうなるのか”を知りたい。
そして、象徴をただ受け取るより、構造を確かな手がかりにして、ホロスコープを深く読み解いていきたい。
私は、構造を謎解きする過程が何よりも楽しいのかもしれません。


