「オリエンタル天体」という言葉を聞いたことはありますか?
初めて聞く方もいれば、「知ってるよ!」という方もいるかもしれませんね。
今回は、このオリエンタル天体という言葉について、少し深く掘り下げてみたいと思います。
1.オリエンタル天体とは?
これは、東の地平線から太陽が昇る直前に上昇する天体のことを指します。
公的な姿や人生の目的、方向性、生き方などを示す太陽を“先導する”存在として、オリエンタル天体は適職判定の判断材料になると言われています。
ここで重要なのは、「天職」ではなく「適職」であるという点です。
2.天職と適職の違い
天職とは──
自分の才能や能力を最大限に活かせる、使命のような仕事。
やりがいや充実感を深く感じられるものです。
適職とは──
自分のスキルや性格に合った、無理なく続けられる仕事。
ストレスが少なく、日々の安定を支えてくれるものです。
占星術的に強いて言えば、天職はMC(ミッドヘブン)、適職は太陽に対応すると見ることもできます。
もちろん、実際にはもっと複雑な要素が絡みますが、この記事ではわかりやすさを優先して、少し単純化してお話ししていきます。結婚されている女性の場合、パートナーの男性に太陽を託していることも少なくありませんが、一般的には太陽に、その人の“公の姿”が表れていると考えられます。
3.オリエンタル天体の見つけ方と注意点
自分のオリエンタル天体を見つけるには、太陽から時計回りで最初にあたる天体を探します。
けっこう離れていても、太陽から時計回りで最初にあたる天体であれば、それがオリエンタル天体となります。
ただし、注意したいのが水星や金星がオリエンタル天体になる場合です。
水星は太陽と最大でも28度、金星は46度しか離れないため、太陽の近くにあることが多く、オリエンタル天体となる確率も高いです。
そのため、特定の職業と結びつける要因とはならず、適職判定の材料にはならないとされています

4.オリエンタル天体の役割─私的考察
私は、オリエンタル天体の働きには、主に2つのパターンがあるのではないかと考えています。
ひとつは、適職に就く前の職業や、必要な経験として現れるケース。
もうひとつは、適職や自己実現に向かう過程で、助けとなる能力として働くケースです。
たとえば、私のオリエンタル天体は火星です。
火星には、積極性・闘争心・アピール力・自己主張などの象意があるため、宣伝やセールス、何らかの売り込みの才があるとされます。
実際、若い頃に営業の仕事をしていた時期があり、社長賞をもらったこともあります。
売り込みの才があると言えばそうなのかもしれませんが、精神的にはかなりきつく、1年半ほどで辞めてしまいました。
あれからだいぶ経ちますが、今でもこの頃のことを夢で見て苦しくなることがあります。
営業という仕事は、私のスキルには適していても、性格には適していなかった──
そう考えると、適職はやはり太陽の方に示されるのだろうと思います。
5.サインとハウスで状況を絞り込む
オリエンタル天体が同じ火星であったとしても、サインやハウスによって表れ方は異なります。
私の火星は魚座にあり、もともと押し出し力は強くありません・・・。
自分が苦手なことに取り組む必要があるときでも、ある程度状況を絞り込むことで、チャレンジしやすくなることがあります。
私の場合は火星が5ハウスにあるので、“これは面白そうだ”と感じるものや、トキメキのような直感に従って動くことで、自然と行動に踏み出しやすくなります。
ちなみに、以前の記事『太陽回帰について③番外編』に登場したKさんも、火星がオリエンタル天体で、魚座火星。前職はやはり営業職だったそうです。
Kさんの火星は9ハウスにあり、“天啓”のようなひらめきに従って動くことで、行動に踏み出しやすくなるタイプかもしれません。
“天啓”というと少し怖く感じるかもしれませんが、「何となくこうするのが正しい」というような勘が働きやすい人なのではないかと思います。
6.水星・金星がオリエンタル天体の場合
水星や金星がオリエンタル天体になる場合、適職判定の材料にはならないとされていますが、お話を伺っていると前職との関連性をふわっと感じることはあります。
たとえば、水星がオリエンタル天体の人は、子どもが何かしら関わる仕事に就いていることが多く、金星の場合は、女性が何かしら関わる仕事に就いているケースが見られます。
もちろん、これはあくまで傾向であり、逆にオリエンタル天体の方から職業を予測するのはかなり難しいと感じます。
7.結論──導き役としてのオリエンタル天体
結論として、オリエンタル天体を適職判定の判断材料にするならば、「適職につくために導いてくれる天体」という方向性で捉えるのが良いのではないかと思います。
太陽が地上に顔を出す(=自己実現)ために、どんな力が背中を押してくれるのか──
その“先導者”としてオリエンタル天体を見ていくことで、適職へのヒントとして活かしていけるのではないでしょうか。

 
  
  
  
  
