ハウスの際にある天体、お前はどっちなんだい問題

以前、ハウスの境界線(カスプ)の手前の5度以内にある天体は、次のハウスに入っているものと見なされるという『5度前ルール』についての記事を書きました。

私はハウスの境界線(カスプ)の手前の5度以内にある天体は、「両方のハウスで働いている」と感じることが多く、その場合どのように読めばいいのかを考察しました。
ただ、出生図は1人1人条件が違う完全オリジナルなものなので、だいたいの人に当てはまることでも、自分には当てはまらない──ということは十分あり得ます。
たとえば、5度前ルールと一口に言っても、それが「5度前」なのか「1度前」なのかでも微妙に違いが出てきそうな気がします。
自分はいったいどっちになるのか、モヤモヤ…白黒はっきりさせたい。そんな人におすすめしたいのが、トランジットの影響を使った検証です。

1.なぜトランジットでの検証をお勧めするのか

出生図は主に性質や傾向を読み解くものなので、「どちらにも当てはまるような気がする」──という曖昧さがつきまといます。
だからこそ、実際の出来事として現れるトランジットを使って検証するのが有効なのです。

ちなみに、トランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星)は動きが遅いため、この検証には向きません。火星・木星・土星あたりがちょうどいいのかなと思います。

例えば、上記の画像は私の出生図です。
以下は、出生図において太陽がそれぞれのハウスに入った場合の意味合いです。


6ハウスの太陽:
人からの期待には無理してでも応えようとする努力家。
主体的に生きることに不安があり、サポート的立ち位置の方が能力を発揮しやすい。
医療従事者も多い。

7ハウスの太陽
他者の影響を受けやすく、パートナーに自身の生き方を委ねがち。
人生の目的がパートナーシップになりやすいため、結婚願望が強い人も多い。

私は医療従事者ではありませんが、性質としてはどちらにも当てはまっています。
ASC天秤座・1→7ハウス・7ハウス強調という出生図を持つ7ハウサーなので、私という人間全体で見れば7ハウス的性質が色濃く出ています。
しかし、太陽に限って出方を観察してみると、7ハウスであるとはっきりは言い切れないのです。

2.ハウスの流れと職業的な納得感

私の11ハウスのカスプは獅子座なので、11→6or7の流れを持っています。
職業的には11→6で考えると納得する感じです。
(実際の職業は伏せさせてください。)
逆に、11→7の流れで考えてみると、当たっていなくはないけれど、ASC天秤座の時点で既にそういうところはあるしな〜…という曖昧な感じになってしまいます。

そもそもハウスとは、天体が活躍している場所や場面、分野などを表すもの。
その出来事が「どこで起こったのか」──そこから検証してみましょうということです。

3.実例:トランジット木星が太陽に重なった時

数年前、トランジットの木星が私の出生図の太陽に重なった時の話です。
木星は拡大と発展を司る天体ですが、私の場合、出生図の木星がノーアスペクトなせいか、トランジットの時も発展とは関係なく、無意味にただ“増やすだけ”という傾向があります。
また、出来事は明後日の方向で出やすいです。

増えると言っても、私の仕事は普段忙しくなることはあまりないので、人間関係が広がったり、良い出会いなどがあるのかなと期待していました。
ところが、やはりと言うべきか、かなり明後日な方向で出てしまいました…。

職場のトップの人が突然亡くなり、その対応や手続きで、トランジットの木星が出生図の太陽に重なっていた数日間を中心に、ものすごく忙しくなりました。
お通夜や葬式では、仕事で繋がりのある大勢の人と会いました。

木星の“増やす”という作用は、6ハウスにも7ハウスにも影響があったと言えます。
むしろ、6ハウスを入口として影響が連動していると考えてよいのではないかと思います。

注意しておきたいのは、木星を「幸運の天体」として捉えてしまうと、このようなトランジットの影響を見落としてしまう可能性があるということです。
天体の働きについては、テキスト的な解釈だけでなく、「自分の出生図ではどのように働く傾向があるのか」という“癖”を把握しておくことも、とても重要だと感じています

4.1年後のドラゴンヘッド──出来事の連動

「あとには一見しただけでは何も残らない」という傾向について補足です。
この1年後、出生図の太陽にトランジットのドラゴンヘッドが重なった時に起きた出来事は、明らかにこの時の出来事がきっかけとなっていました。
(その話は別記事で書いているので、よかったらそちらをご覧いただけますと幸いです。)

つまり、木星の“拡大”は、6ハウス的な出来事を通して、7ハウス的な人間関係の広がりへと連動していた──そんなふうに捉えることもできるのではないでしょうか。

5.結論──またがっているという感覚

というわけで、私の出生図の太陽に関しては、両方のハウスに入っているものとして考えるというよりは、下記の画像の猫ちゃんのように、両方のハウスにまたがっている──そんな感覚で捉えるのがしっくりくるように思います。



もし、ハウスの際にあって、どっちで考えればいいのか迷う天体があったら、トランジットの天体が巡ってきた時にどこに影響があったのかを観察するなどして、検証してみると良いかと思います。




















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