ホラリーには「判断の制限」と呼ばれるものがあります。 これらが出ているときは、チャートを読むことを避けたほうがいいとされています。
- アセンダントが 3 度未満、または 27 度以上
- 土星が 1 ハウス、あるいは 7 ハウス
- 月がボイド・オブ・コース
- 月がビア・コンバスタ(天秤座 15 度〜蠍座 15 度)
「判断の制限」はレアなものではなく、実際にはよく遭遇します。 そのため私は、自分の質問であれば、これが出たからといって読むのを避けたりはしていません。
ただし、お客様の場合には、読むのをやめておいたほうが無難です。
判断の制限は占星術的な危険を示すものではなく、質問者側の混乱に巻き込まれないための注意信号の意味合いが強いからです。
今回は、この判断の制限がどのように現れるか、
実際に立てた抽選ホラリー 3 本(チャート①・②・③)を使って整理してみようと思います。
質問の背景:超難関公演の抽選と、焦れのピーク
某劇団では“一本物”と呼ばれる大作公演が続いており、どれも難チケットが予想されています。
2 作はなんとか確保できたものの、その先には歴戦の猛者でさえ苦戦すると予想される“超難関公演”が控えています。
その公演の上演が発表されたタイミングで「チケットが取れるのかどうか」ホラリーを立てたところ、アセンダント初期度数が出ていましたが、シグニフィケーターはトラインでアプライ。
つまり「チケットは取れる」。
ただし初期度数が出ているため、“絶対取れる”という確約ではなく、
「きちんと準備して計画的に望めば、チケットを手に入れられるよ」
というメッセージだと受け止めました。
それから数か月、各媒体で抽選が始まり、応募できるところにはすべて申し込みました。
ローラー作戦です。
とある商品購入型キャンペーンにも応募し、その当選通知は●月中旬。
──中旬とは、ふつう11日〜20日のどこかを指します。
まだかまだかという焦れがピークに達した16日。
X で当選報告が 1 件出たらしく、通知が来ていない人たちは疑心暗鬼に陥り、
虚偽投稿説や「住所登録がない人はハズレ」説まで流れ、X界隈のみなさんがざわついていました。
それに加え、このキャンペーンは2つの公演から選べるようになっていたのですが、私はうっかりして希望の公演以外の公演にも申し込みをしてしまっていたのです。
もし、その間違えた方が当選してしまった場合、用事が入っているので、行く事はできません。
もう、今すぐ結果を知りたい、今すぐはっきりさせたい。
そんな気持ちで、ホラリーを立てたのが、チャート①です。

チャート①:抽選プロセスにはあるが、流れは落選方向へ
判断の制限が 2 つ出ていました。
- アセンダント初期度数
- 7 ハウスの土星
古典占星術では、ASC 初期度数は次のような意味があります。
- 相談者が状況を把握していない
- 行動できる段階にない
- 問いが未成熟
- 未来の確定度が低い
つまり、まだ材料が揃っていない段階で質問がされているということです。
しかし、当選通知は中旬。
企業の抽選プロセスを考えると、16 日時点で内々に当選者を決定していないのはありえない。
それなのに「早すぎる」が出るのは謎でした。
もう 1 つの判断の制限は、7 ハウスの土星。
ウィリアム・リリーは「7 ハウスに土星がある場合、占者の判断は妨げられる」と述べています。
それに加え、ディセンダントには海王星も重なっているので 相手側の企業の出方がはっきりしない有耶無耶な状態に混乱が生じているということでしょうか。
チャート①のシグニフィケーターの状態を見てみる。
質問者:乙女座金星
- フォール=本質的に弱い
- 12 ハウス=不安・自滅・閉ざされた場所
12 ハウスという閉ざされた場所にあるため、私自身からは状況が見えず不安を募らせている状態。
さらにフォールなため、抽選を勝ち取れるほどの強さはありません。
つまり、激弱なわたくし…
チケット(抽選):牡羊座土星
- フォール=本質的に弱い
- 7 ハウス=企業側の領域
チケットを表す天体が土星であるため、 抽選そのものが “手に届きにくい性質を持つ事柄” として描かれています。
月:獅子座
- ペレグリン=無力
- 11 ハウス=未来・希望・外側からの支援
希望を持ちながらも、状況や流れに身を任せるしかないという状態にあるようです。
パーフェクション
- 月と土星はトラインからセパレート(過去)
- この後、月がサインチェンジまで、どの天体もアスペクトを形成せず。
月は16度という中盤度数なのに、実質ボイドのような状態になってしまうのは、やや異常な印象を受けます。
→ 過去にはチャンスがあったが、もう何も動かない。
→ チケットは、まだ抽選プロセスにはあるものの、流れは確実に落選方向へ傾いている。
チャート②:翌日 17 日に再度チャートを立ててみる
「今日はさすがに早すぎることはないだろう」と思い、再度同じ質問でチャートを立てました。
ところが、またしても判断の制限が 2 つ。
- アセンダント初期度数
- 月ボイド・オブ・コース
再び「質問が早すぎる」が出ました。
そして、 月は獅子座 29 度で完全なボイドです。
月ボイドは以下のような意味を示します。
- 状況が進展しない
- 期待どおりの結果に至らない
- 事柄が実を結ばない
- 次の展開がない
つまり、このフェーズでは事柄はこれ以上動かないということです。
チャート②のシグニフィケーターの状態を見てみる。
質問者:蟹座水星
- ターム・フェイス=最低限の力
- 11 ハウス=未来・希望・外側からの支援
- コンバスト=大きく力を削がれる
- 逆行=ためらい・優柔不断・認識不足
→ 応募方法失敗したかもという懸念、席種が何になるのかという不安、ローラー作戦の迷いなど、心理的な揺れが強い状態。
チケット(抽選):牡羊座土星
- フォール=本質的な弱さ
- 8 ハウス=他人の財産・隠された領域
チケットを表す天体は、昨日と同じ土星です。
つまり、事象の本質が変わっていない (=同じテーマの延長線上にある)ということです。
けれど、7 ハウスから 他者の所有物を示す8 ハウスへ移っているので、 抽選結果が水面下で決定して他者の物になっている可能性が高い…。
月:獅子座 29 度
- ペレグリン=無力
- 完全なボイド=事柄が実を結ばない
- アセンダント合=状況や流れが目の前に表れやすい
- ドラゴンテイル合=減少・損失・不利
→ 状況的に“望みはこのフェーズでは実を結ばない”という象徴が重ねて強調されています。
最大の謎:現実的には早すぎないのに、なぜ「早すぎる」が出るのか
2 本のチャートを読んで、「こりゃ、落選だな」と判断しましたが、 そうなると、なぜ ASC 初期度数が出たのかが解せません。
当選通知は中旬。 16 日も 17 日も決して早すぎる時期とは言えません。
- ASC 初期度数=質問が早すぎる
- 月ボイド=このフェーズでは動かない
この 2 つが同時に出るなら、
「質問が早い → 抽選が終わっていない → だから事象が動かない」
となりそうですが、現実には早すぎないため矛盾が生じます。
この矛盾を考えていたとき、ある仮説が浮かびました。
“早すぎる”の正体:質問のスコープが広すぎた?
今回の質問は2本とも、「●●キャンペーンの〇〇は当たっていますか?」というもの。
私としては第1抽選のことを聞いたつもりでしたが、この聞き方では、第1・第2・第3抽選をまとめて聞いたことになってしまうのかもしれません。
抽選の状態:
- 第 1 抽選 → 水面下で決定済み(推測)
- 第 2 抽選 → 未確定
- 第 3 抽選 → 未確定
第一次抽選のはずれは、チャート①の時点で水面下で確定していたのではないかと思われます。
しかし私は「抽選全体として当たるか」を聞いたことになるため、未確定の第2・第3抽選まで含めてしまい、チャートは “今答えを出すのは早すぎる” と返したのではないでしょうか。
これが今回の2本のチャートに共通して出た「早すぎる」の正体だと考えています。
以前の記事「未来は“確定していない”─ホラリーが教えてくれたこと」でも、アセンダント初期度数+7 ハウス土星が出ていました。
その時も「複数の抽選をまとめて聞いた」ため、同じ状態だったのではないかなと思われます。
チャート③:スコープを絞ったことで、判断の制限の種類が変わった
この反省を生かして第2抽選では、「第2抽選は当たっていますか?」と、スコープを絞ったダイレクトな質問を投げかけました(チャート③)。
このチャートでは ASC 初期度数は出ませんでしたが、月はビア・コンバスタにあり、これは強い判断の制限に該当します。 質問のスコープを絞ったことにより、判断の制限の種類が「早すぎる」から「燃え尽きている」へと変化しています。
ホラリーチャートでこの度数(天秤座 15 度〜蠍座 15 度)に月があると、燃え尽きてしまった状況を示し、月は無力となります。
さらに、月はサイン半ばにもかかわらず、サインチェンジまで、どの天体もアスペクトを形成せず、実質ボイドのような状態になっていました。
そして、第2抽選ははずれました。 第3抽選はチャートを立てることすら忘れていましたが、結果は同じく落選でした……ぴゃー。


