「日蝕って、太陽が見えなくなるやつでしょ?それが何か関係あるの?」──と思われている方。
大ありですよ!
1.新月と満月の仕組み
まずは、新月と満月の理科的な仕組みから見てみましょう。
「理科的な仕組みはいらない」と思われるかもしれませんが、これをなんとなくでも頭に入れておくと、占星術のテキスト的な意味を覚えなくても「こういうことかな?」とインスピレーションを得やすくなります。

2.新月=スタート、満月=達成
ホロスコープ上では、
- 太陽と月が重なると新月
- 太陽と月が対向にいると満月
人生の方向性や生き方を示す太陽と、素の欲求を示す月が一致するのが新月。
そこでスタートしたものが、満月というクライマックスへ向けて進んでいく─というのが基本的な考え方です。
新月は「種まき・スタート」、満月は「収穫・達成」を意味するとされています。
とは言うものの、何かのトリガーとなる可能性はありますが、日常の出来事の範疇で、気をつけて観察していないとそのまま忘れ去られるようなことぐらいしか起きないのではないかと思います。
3.満月前症候群─体調不良の原因かも?
私は満月の影響を受けやすいと感じています。
満月が近づいてくると、イライラして不安に苛まれ、死にたい気持ちになることも…
これは西洋占星術とは少し離れますが、「満月前症候群」と言われるもので、月の引力が強く働くことが原因だそうです。
人間の体は約60%が水分でできているため、海の満ち引きと同じように月の影響を受けて体調も変化するとのこと。
対策は「リラックスすること」しかないそうです。
なので、満月の影響を受けやすいと感じている人は、満月付近はひたすら自分を癒すことに専念してみてもいいのかなと思いました。
4.日蝕・月蝕の仕組み(新月・満月のパワーアップバージョン)




日本で見られなかったとしても、日蝕は世界のどこかで毎年平均して2回ほど起こり、その2週間前か後には月蝕も起こっています。
新月と満月は毎月起こるので、日蝕・月蝕ももっと頻繁に起こりそうに思えるかもしれませんが、地球の公転軌道と月の公転軌道は約5度傾いていて、ピタッと一直線上に並ぶことは少ないため、日蝕や月蝕は珍しい現象となるそうです。
ホロスコープ上では、↓下記のようになると日蝕・月蝕となります。
| 日蝕 | 新月の18.50度以内にドラゴンヘッド・テイル |
| 月蝕 | 満月の12.25度以内にドラゴンヘッド・テイル |
5.占星術的な意味─“死と再生”の象徴
日蝕・月蝕は古来、不吉なものとされていました。
太陽は王様を意味し、それが隠れるということで「王の死」と解釈されていたからだそうです。
現代ではそのような解釈はされなくなりましたが、太陽が隠れた後に再び姿を現すという現象から、「死と生」、すなわち「一度何かが象徴的に死に、新たに何かが生まれる」という個人の大きな変容を象徴するものと再解釈されるようになりました。
6.日蝕・月蝕が出生図に関わると?
日蝕・月蝕が出生図の天体に関わってくると、大きな変化の訪れや切り替わりのタイミングになると言われています。
- 転職
- 結婚
- 妊娠
- 怪我・事故
- 引っ越し
- デビュー
- 出会い・別れ
など、生き方や環境、人間関係の大きな変化として現れることも少なくありません。
まとめると、このような関連付けがされています。↓
- 日蝕=新月 → 新しい始まり
- 月蝕=満月 → 手放し・完成
7.影響の期間と見方
影響の期間は諸説ありますが、「次の日蝕・月蝕まで影響が続く」という説が一番わかりやすいかもしれません。
日蝕・月蝕が発生する1〜2週間前から影響が出始め、特に蝕の当日や前後は象徴的な出来事が起こりやすいとされています。
自分への影響を解釈するには、
・ 出生図のどこで日蝕・月蝕が起きたかを見る
・ 出生図の天体やアングルと重なるようなら強く影響を及ぼす
・ 特に太陽・月・チャートルーラーは要チェック
その天体やアングルに関して、「一度何かが象徴的に死に、新たに何かが誕生する」ような出来事が生じやすく、具体的なことを知りたければ、その天体の特性、サイン、ハウスの象意などを絡めて考えてみてください。
8.“転機だったな”と思い返す出来事かも
日蝕・月蝕の影響で生じた出来事は、スムーズな切り替わりというよりは、
「ブチッと強制終了させられるような衝撃的な出来事」が生じやすいです。
のちのち再生したとしても、その時は「自分が不幸な目にあった」としか感じられないかもしれません。
けれど──
日蝕・月蝕の影響で生じた出来事は、後から見て「辛かったけど、あれが転機だったな」と思い返す種類のものなのかもしれません。


