某劇団にハマってから数か月。
私は、どうすればチケットが取れるのかをひたすら研究してきました。
平日の方がいいのか、ソロ申し込みの方が当たりやすいのか、地方公演はどうか。私設ファンクラブに入るべきなのか。
自分でも、そのほとんどを試しましたし、会う人会う人に「チケット当たらないんですよ~。コツとかあります?」と聞きまくりました。
返ってくる答えは、だいたい同じです。
「結局は運だよ。」
たしかに、某食品系企業のキャンペーンに一口だけ応募して、いきなりSS席を当てた人もいたので、そういう話を聞くと、やっぱり運なんだろうなと思うわけです。
それで、「運を上げるにはどうしたらいいのか」と考え、トイレ掃除がいいらしいと聞けば、毎朝せっせと掃除しました。どうしても行きたいコンサートがあったので。
結果、無事に当選。(トイレ掃除効いたのか?)
ただ、人間の欲はすぐに大きくなるもので、行けるだけでありがたいと最初は思っていても、「もっと前の席で見たい」とエスカレートしてしまう。
前方席を当てた人の投稿を見ると、胸の奥でメラメラと嫉妬の炎が上がるのです。
なんとかして、私の運を上げることはできないものか。
そんなとき、「運の良さとは何か」という記事を見つけました。
1.運の良さは“視界の広さ”?
心理学者リチャード・ワイズマンが行った有名な研究があります。
「運の良い人と悪い人は、何が違うのか?」というテーマで、10年以上にわたって調査したものです。その中に、こんな実験があります。
● 新聞の中の写真を数える課題
参加者に新聞を渡して、「この中に何枚の写真があるか数えてください」と指示します。
- 運が悪い人
真面目に全部数え始める。緊張していて、視野が狭くなっている。 - 運が良い人
最初のページに書かれた「数えなくていい、写真は○○枚です」というメッセージに気づく。リラックスしていて、視野が広い。
つまり、運の良さは“視界の広さ”と関係しているということ。
緊張すると視野が狭くなり、リラックスすると視野が広がる。
これは心理学で「視野狭窄」と呼ばれる現象で、実験でも何度も確認されています。
「運の良さは視界の広さなのかあ。なるほどね。」
そう思ったものの、正直チケット獲得には活かせない気がしました。
視界が広いとか狭いとか言われても、倍率は倍率だし、運は運だし。
……と思ったところで、ふと閃きました。
2.願いを言うと叶いやすいのは“視界が広がるから”?
よく「願いを人に言うと叶いやすい」って言いますよね。あれって、スピリチュアルな魔法ではなく、もっと現実的な話なのでは?と。
つまり、他者の視界を借りる=情報収集を外部化するということです。
自分ひとりでは見えない情報を、他者の経験・人脈・視野が補ってくれる。
- 「このキャンペーン当たりやすいよ」
- 「この日程は倍率低いよ」
- 「この申し込み方法が穴場だよ」
こういう“自分では気づけない情報”が入ってくる。これはまさに、視界の広さ=運の良さにつながる話ではないでしょうか。
さらに、人は誰かの願いを聞くと、無意識にその情報を拾いやすくなります。
- ポスターを見かけた
- キャンペーンを見つけた
- SNSで情報を見た
その瞬間に「あ、あの人が探してたやつだ」と思い出す。
つまり、自分の視界が狭くても、他者の視界が広げてくれるのです。
そしてもうひとつ。願いを言語化すると、脳が“その情報を探すモード”に入ります。
これは心理学で「カラーバス効果」と呼ばれる現象。
実際、「●●の公演は絶対行きたいんだ」と友達に言っていたら、私が知らなかった公演の先着情報を教えてくれました。しかも、先着のやり方・コツまで指南してくれました。ありがたい。
さらに、私が全滅だと嘆いていたら、「ほぼSS席みたいな席が当たったから一緒に行かない?」と誘ってくれる人もいたりして、本当にありがたい限りです。
3.視界の話は占星術にもつながっていた
そして、「視野を広げる」という話でひとつ閃いたことがあります。
アスペクトの語源はラテン語 aspectus(見ること、視線、外観)。
さらにその元は aspicere(〜を見る、注視する) で、
これは ad(〜へ)+ specere(見る)に分解されるそうです。
つまり、西洋占星術にはもともと“視界”という概念があり、「視野を広げる=運の良さ」という話は、占星術にも関係しているのでは?と思いました。
アスペクトは、天体同士の相対的な角度、天体同士の関係やつながりといったように解釈されることが多いです。ただし、語源的には「見る」です。
そう考えると、
- ソフト(イージー)アスペクト:見ることが簡単(視界が良好)
- ハード(ディフィカルト)アスペクト:見ることに困難が伴う(視野が狭くなる)
このような影響が備わっていると考えられます。
たとえば、金星と土星のハードアスペクトについてテキストを広げると、次のような解釈が並んでいます。
- 愛情に対する疑念
- 愛を受け取れない
- 自己価値の低さ
- 恋愛に対する臆病さ
- 愛情表現のぎこちなさ
つまり、「土星が金星を抑圧するから、愛情が減る」という解釈になります。
ここに「見る」という視点を入れてみると、
「愛情に対する疑念や飢餓感がある」というのも、視野が狭くなって、示されている愛情が“見えない”という現象として理解できます。
愛情が足りないのではなく、視野が狭くて“受け取れない”。だから飢餓感が生まれる。
この視界という捉え方で考えると、月と土星のハードアスペクトの意味が、構造としてとても腑に落ちるのです。
ソフトアスペクト・ハードアスペクトは、単なる運の良し悪しではなく、自分の盲点になりやすいところを示しているのかもしれません。
ハードアスペクトの“視野の狭さ”は、もともと備わった傾向なので、完全に直すことは難しいかもしれません。ただ、自分はこの天体の分野で視界が狭くなりやすい、と知っているだけで、「いま何か見落としていないか?」「何か気づいていない点はないか?」と意識を向けることができるのではないかと思います。
4.太陽が“視界を奪う”──古典占星術とムスカの話
「視界」という言葉で、頭に思い浮かんでくることは他にもあります。
古典占星術では、太陽との関係性でシグニフィケーターのコンディションを判断します。
- コンバスト:大きく力を削がれる。制限、成就しない。
- アンダー・ザ・サンビーム:力を削がれる、見えにくい、見逃されがち、まだ全部が明らかになっていない状況。
講座で習ったとき、先生が「眩しくて目をあけていられない状態」と言っていたのがとても印象的でした。
この“眩しさで視界を奪われる”というので思い出すのが、『天空の城ラピュタ』のムスカです。
シータとパズーが「バルス」を唱え、飛行石の光が強く放たれた瞬間に、ムスカはその強烈な光をまともに浴びてしまいます。
その結果、
- 強烈な閃光
- 直視してしまった
- 目が焼かれるような痛み
- 視界を失う
という状態になり、あの有名な「目が、目がぁーー!!」につながります。
ここで重要なのは、ムスカが失ったのは単なる“視界”ではなく、見通す力(foresight)だったという点です。
視界を失った瞬間、ムスカは次のすべてを同時に失いました。
- どこが安全か
- どこが崩れるか
- どこに逃げれば助かるか
- 何が起きているのか
- どう判断すべきか
視界があれば、
- 「この柱は崩れそう」
- 「この通路は安全」
- 「あそこに逃げれば助かる確率が高い」
と判断できたはずです。
しかし視界が奪われたことで、判断力・方向感覚・未来予測がすべて失われ、破滅に向かって一直線に走っていくことになりました。
しかも、ムスカの自業自得で手を引いて助けてくれるような人はいないですしね。
5.ドーラ一家が助かったのは「視野の広さ」
崩壊するラピュタの中で、ドーラは次のようなことを瞬時に見通していました。
- どこが崩れそうか(構造の弱点)
- どの方向に飛べば安全か(風向き・気流)
- どのタイミングで動くべきか(崩壊の進行速度)
- 誰がどこにいるか(仲間の位置と動き)
- パズーとシータがどう動くか(性格と行動予測)
- 船がどこまで耐えられるか(リソースの限界)
- 何を持っていくべきか(優先順位の切り替え)
- どのルートなら生存確率が高いか(複数の選択肢の比較)
これらを一瞬で判断し、ただ逃げるだけでなく、お宝まで持って帰る余裕すらある。
これは「運」では説明できません。状況を見通す力があったからこそ可能だった行動です。
つまり、視野の広さ=運がいいという話は、
- 状況を見通せるか
- 判断できるか
- 選択肢を持てるか
という、もっと根本的な能力に繋がる話ではないかと思います。
6.まとめ、出生図の“盲点”と運の良さ
自分の出生図にハードアスペクトがある分野のことは、視野狭窄になりがちと開き直って、人に聞いてみると突破口が見つかるかもしれません。
絶対無理だ、どこにも逃げ道はない、完全に詰んだと思っていても、ダメ元で言ってみたらすんなり通ってしまうことって、よくありますよね。
新聞の写真を数える課題のように、「数えなければならない」と思い込んでいるのは自分だけで、どこかにヒントが隠されているかもしれないのです。
そういえば、先日とあるお店がオープンして、レジでアンケートに答えるとプレゼントがもらえるというのをやっていました。
会員登録もいらない、すごく簡単なものなのに、みんなやっていませんでした。
というか、伏し目がちで、そもそも気づいていないようでした。
とはいえ、視野を広くしようとして、何でも情報を取り込もうと頑張ると疲れてしまいます。
だから、なんとなく目に入ったものを情報として拾う癖をつけておくと、視界が自然に広がり、必要な情報が勝手に入ってくるのではないでしょうか。
みなさんも、運を良くしたかったら、この「なんとなく目に入ったものを拾う癖」をつけておくといいかもしれません。

