5度前ルールについて　

ハウスの境界線（カスプ）の手前の5度以内にある天体は、次のハウスに入っているものと見なされるという『5度前ルール』が西洋占星術にはあります。
ちなみに、この5度前ルールは、ハウスにのみ適用されるルールです。

↑例をあげると、この6ハウスにある太陽は7ハウスに入っているものと見なされます。

5度前ルールの成り立ちの考察よりも、具体的にどう読み解くのかの方が気になるところだと思いますので、その辺はすっとばして話を進めていきます。

占星術家によって５度前ルールについての見解は、おおむね下記の3つに分かれるかと思います。

①完全に次のハウスのものとして考える派
②両方のハウスを見て判断する派
③アンチ５度前ルール派

私は、講座で②と教わりました。
なので、西洋占星術を学び始めたばかりの頃は、両方のハウスを見比べた上で影響が強く出ている（と思われる）ハウスのものとして読んでいたのですが、勉強を重ね様々なホロスコープを読んできた今は、ハウスの境界線（カスプ）の手前の5度以内にある天体は、両方のハウスで働いていると感じています。
ただ、そうは言っても、２つのハウスを同列に扱ってしまうとその天体の持つテーマがぼやけるような気がします。

例えば、上であげた画像は私の出生図ですが、それぞれのハウスに太陽が入ってきた時の意味合いは、おおむね下記の通りとなります。

6ハウス 労働・奉仕・健康	太陽 人生の目的・方向性	人からの期待には無理してでも答えようする努力家。 主体的に生きることに不安があり、サポート的立ち位置の方が能力を発揮しやすい。 医療従事者も多い。
7ハウス 1対１の他者との関わり パートナーシップ	太陽 人生の目的・方向性	他者の影響を受けやすい。 パートナーに自身の生き方や判断を委ねがち。 人生の目的がパートナーシップになりやすいため、結婚願望強い人も多い。

なんとなく主体性に欠ける感じが共通しているような気はするものの、人生の目的は何になるのか、どこを目指せばいいのかなど、明確なビジョンは見えてきません。
ですが、この２つのハウスを関連づけて読むことで、その天体のテーマが一気にわかりやすくなってくるような気がしています。

全くの我流なので賛否両論あるかと思いますが、天体が入っているハウスに身はおかれたまま、意識だけは次のハウスに向かっているというイメージで読んでみてください。

6ハウスにとって7ハウスは憧れのネクストステージになるので、7ハウスが抱える矛盾や葛藤は6ハウスには見えません。
ですので、今ある問題や課題もネクストステージになれば解決できるかもしれないという希望をいちずに抱いているというようなイメージです。

１年生になったら♪　１年生になったら♪　友達100人できるかな♪

そういう歌がありましたが、１年生になったからといって今の自分が続いていくだけなので、1年生になったとて…なのですが、それだけ1年生というステージに憧れと期待を抱いているわけです。

実際どのように読めばいいのかと言うと、上記のケースの場合、主体的に生きることに不安があるため処世術として従属的な生き方をしてはいるが本当は対等な関係性というものに憧れていて、それによって今の問題や悩みは解決できると思っている。
したがって人生の方向性としては、対等な関係性を築けるよう自立的な生き方を目指していくといった感じになるのではないでしょうか。

もし自分のホロスコープにどっちなのか判断に迷う天体があったら、こんな感じで読んでみたらどうでしょうというお話でした。