NO判定だったのに指輪が見つかった理由 ― ホラリー占星術

前回に引き続き、失せ物探しのお話です。
だからといって「まほろさんって物を失くしてばかりなのね」と思わないでくださいね。
本当は、日々あらゆる事象をホラリーで占っています。
ただ、公開するには差し障りのある内容も多いので、
誰も傷つかない“失せ物探し”を題材にしているだけなのです。

1.指輪がない──出勤前の小さなパニック

私はお守りとして、いつもエメラルドの指輪をつけています。
ところが今朝、仕事に行く前にアクセサリートレイを見ると、指輪が見当たりません。
昨日、帰宅後に戻さなかったのかな?
心当たりを探しても、どこにもない。
電車の時間が迫ってきたので、指輪なしで出発し、
帰ったら探そうと思いながらホラリーチャートを立てました。

2.チャートの主役は“土星”──これは何を意味するの?

質問事項:私のエメラルドの指輪はどこに行ってしまったの?

  • 私自身=2ハウス魚座・土星(インターセプト)
  • 指輪=同じく2ハウス魚座・土星(インターセプト)
  • 指輪(副)=4ハウス牡牛座・天王星
  • 月(状況・結果)=1ハウス山羊座

まず目につくのは、土星の強烈な存在感。

● 私自身=2ハウス魚座土星(インターセプト)
所有物に対する記憶が曖昧で不安。
魚座の海王星とコンジャンクションしているので、
「混乱の極み」という状態でしょうか。

● 指輪=2ハウス魚座土星(インターセプト)
柔軟宮なので、散らかった場所に紛れていそうです。
水のサインでもあるため、箱や容器の中など、
何かに“入っている”場所になるのかもしれません。
さらに魚座サインは“湿気・水回り”とも関連するので、
加湿器の近くといった水に関係する場所も考えられます。
ただ、私自身も指輪もインターセプトされています。
インターセプトされた天体は、そのテーマが “認識しづらい・意識に上がりにくい” 傾向があるため、見つけるのは簡単ではなさそうです。

● 指輪(副支配星)=4ハウス牡牛座天王星
4ハウスにあるため、指輪は家の中にある可能性が非常に高いです。
さらに牡牛座は固定宮の地サイン、
“動かない・定位置・きちんとした収納場所” を象徴します。
つまり、どこかにパッと置いたのではなく、きちんとしたスペースに収まっている、かつ天王星という事を考えると、思いもよらない意外なところかもしれません。

● 月(状況・結果)=山羊座1ハウス
全体の状況を示す月が1ハウスの山羊座にあるため、
私自身(1ハウス)の“いつもの流れ(月)”が、山羊座的なルールや手順に沿って動いている
と示唆されています。
そのため、普段の帰宅後のルーティーンをたどることがヒントになりそうです。
私はいつも、まずカーテンを閉めにいき、
そのあとアクセサリーや時計をぽいぽいっと外して、手を洗いに行きます。
それを考えると、置き場所の候補としては、
アクセサリートレイ、観葉植物(石の浄化で枝にひっかける)、テーブルの上、ポケットのあたりでしょうか。
ちなみに、時計はテーブルの上にありました。

3.アプライなし=まさかのNO?

では、アプライがあるか見ていきましょう。
月は蟹座の木星とオポジション。
えっ…シグニフィケーター同士のアプライがないということは、指輪は見つからないのでしょうか。
それなら、かなりショックなのですが…。

ただ、今回の質問は「私のエメラルドの指輪はどこに行ってしまったの?」という、YES・NOを問うものではありません。
そのため、何に対してNOが示されているのかを探っていきます。

月がサインを変えるまでのアスペクトを見ると──

  • 月 × 木星 オポジション
  • 月 × 土星 セクスタイル
  • 月 × 天王星 トライン
  • 月 × 海王星 セクスタイル

これを見る限り、いったん木星による妨害が入るものの、指輪は見つかりそうです。
恐らくですが、月 × 木星(逆行)のオポジションを考えると、
「ここに置いたかもしれない」という過去の記憶が邪魔をして、なかなか正解にたどり着けない、ということを示しているのではないでしょうか。
そして、月 × 土星セクスタイルから考えると、過去の記憶をいくら辿っても見つからないけれど、片付け(土星の領域)をしていると自然に出てくるという流れになるのかもしれません。

4.現実の動き:象徴がそのまま起きた

チャートでは「過去の記憶をいくら辿っても見つからない」と出ていたのに、
私は家に帰ると、やっぱり“自分が置いたような気がする場所”を探してしまいました。

魚座=水回りという象徴からヒントを得て、少しでも水気のある場所を中心に探しました。

  • 加湿器のおいてあるテーブル周辺
  • 観葉植物
  • 排水溝
  • 冷蔵庫周辺

でも、やっぱりどこを探しても見つかりません。

その時に、「時計はテーブルに置いてあったけど、ピアスはどこにおいたっけ?」と思って、
アクセサリートレイを何の気なしに指でざらざらかき分けてみたら──

ありました。指輪!!!

5.なぜ“見えていたのに見えなかった”のか?

実は、このアクセサリートレイは本来、帰宅後に外したアクセサリーを一時的に置くための“仮置き場”。
別に仕切りのあるアクセサリーボックスがあり、休日など時間のある時に拭いて戻すのですが、
ここ1年ほどは、使ったものをそのままポイっと置きっぱなしにしていました。
その結果、アクセサリートレイの上はぐちゃぐちゃで、
ネックレスが数本絡んでいたりして、まさに“混沌”そのもの。

つまり──

  • 最初から、マイルール通りの“定位置(土星)”にあった。
  • でも、魚座や海王星的な混沌に埋もれて“見えなかった”。

そして、月×木星オポジションは、「過去の記憶が邪魔になる」という象徴そのもの。

6.結論:チャートに、めちゃくちゃツッコミを入れられていた

今回のチャートは、結果を知ったうえで見直してみると、本当に──
「だ〜か〜ら、自分でちゃんと定位置に置いたでしょ?散らかりすぎだよ。片づけしなよ。」
とツッコミを入れられているような内容でした。

私自身=2ハウス魚座・土星(インターセプト)
朝、アクセサリートレイを見ているにも関わらず、指輪が“見えていない”状態。

指輪=同じく2ハウス魚座・土星(インターセプト)
きちんと、アクセサリートレイに置かれているのにも関わらず、そこがあまりにぐちゃぐちゃなため、埋もれていた。

指輪(副)=4ハウス牡牛座・天王星
家の中の、きちんとしたスペースに収納されていた。
朝探したときに見つからなかったので、「ここには絶対ない」と思い込んでいた。
だから、アクセサリートレイの上から出てきたときは、本当に意外で驚いた。

月(状況・結果)=1ハウス山羊座
私自身の、マイルールに従った場所にちゃんと置かれていた。

7.重要な補足について

最後に、重要な補足があります

今回アプライがなかったため、この質問に対する答えは「NO」でした。
それにも関わらず、月の流れを追って「指輪は見つかる」と判断したのには理由があります。

そもそも、今回のケースがここまでややこしくなってしまったのは、
私自身が問いをYES/NOで完結しない形にしてしまったことが原因です。
ホラリー占星術では、本来、「アクセサリートレイに指輪はあるか?」「記憶を辿って探すのは正しいか?」のように、必ずYES/NOで答えられる形に整えてから判断します。

しかし今回は、その形にしなかったことで、「ホラリー占星術を使って私が指輪を探し出せるのか」という“私が探し出す行為”そのものに焦点が移り、その行為に対してNOが出ていたのではないかと感じています。
実際、私が“探している間”はまったく見つかりませんでした。

今回の結果だけを見ると、まるでNOが覆ったように見えるかもしれませんが、
実際にはNOが覆ったわけではありません。
こうしたややこしい事態を防ぐためには、
最初に質問をYES/NOで完結する形に整えておくことが大切だと感じました。

また、アセンダントの支配星は私自身を表すと同時に、「質問そのものの性質」も示します。
今回、その支配星が2ハウス魚座の土星(しかもインターセプト)だったことを考えると、
問い自体が少し曖昧で、構造的にわかりにくいものになっていた可能性もあります。
その象徴が、今回の“焦点のズレ”や“ややこしさ”として現れたのかもしれません。

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