太陽回帰について、今回は後編です。
2025年の太陽回帰図は、日蝕直前のタイミングで作成されたものです。
10ハウスに天体が集まり社会的な活動への熱量が強くありながらも、それらの多くが魚座であることで、その熱量が曖昧にぼやかされていく──そんな不思議な印象の配置です。
1.2025年の太陽回帰図はどうなっている?

『太陽回帰について①』に記載した太陽回帰図の読み方の表にあてはめて考えていきましょう。
① ASC双子座─“好奇心”が私を動かす
2025年の太陽回帰図では、ASCが双子座。
飽くなき好奇心によって、自分をアップデートしていく1年になりそうです。
情報収集や発信、軽やかな交流がテーマになりそうな気配があります。
② ASC支配星・水星が10ハウス─自分の好奇心を社会にどう打ち出していくか
ASCの支配星である水星は10ハウスにあり、キャリアアップや社会的地位の向上、あるいは“顔を売る”活動に取り組む可能性があります。
水星は周知されやすいAPにあるため、発信には適した配置ですが、逆行しているため、自分の意見を押し出すことには難しさが伴いそうです。
③ 太陽11ハウス─“仲間と未来”に意識が向かう
太陽は11ハウスにあり、ライフワークや仲間との活動、未来のビジョンに意識が向かう1年になりそうです。
ASC支配星の水星は太陽とゆるやかに合ですが、逆行して太陽から離れようとしていること、
さらに10ハウスで海王星・金星(R)・DH・土星と合になっていることから、
理想を描きながらも、現実とのギャップに苦しむ場面もあるかもしれません。
④ 月10ハウス・魚座─“理想と現実のはざまで”
月は10ハウスで魚座の土星とゆるやかに合。
12ハウスの双子座木星とスクエアになっていることから、精神世界を探求したい私と、世知辛い現実を生きる私──
そのギャップに苦しめられる1年になりそうです。
ASC双子座、水星逆行、12ハウスの双子座木星・牡牛座天王星という配置を鑑みるに、
このブログや占星術のメール鑑定を頑張ることになるのかもしれません。
ただし、水星・金星ともに逆行しているため、ありのままを受け入れてもらうのは難しく、
社会の価値観やニーズに合わせざるを得ない葛藤が生まれそうです。
社会や所属集団で起こるあれこれに巻き込まれ、ままならないことも多いかもしれません。
⑤ 出生図の月が1‐2ハウスへ─“自己の確立”と“収入の見直し”
出生図の月は太陽回帰図の1ハウスに入り、自己の確立が課題となりそうです。
5度前ルールを適用すれば2ハウスとなるため、才能や収入についても真剣に考える必要が出てくるかもしれません。
地のエレメントが1つだけということもあり、管理不足や見通しの甘さから予想外の出費が重なるなど、金銭的には少しシビアな年になる可能性もあります。
ASCが双子座なので、興味の赴くままフットワーク軽く動いた結果、出費がかさむ──そんな展開もありそうです。
⑥MCは魚座。
社会や所属集団で起こる出来事に巻き込まれ、犠牲を強いられる場面もあるかもしれません。
ただ、良し悪しをジャッジせず、ひたすら受容していくことが、自分自身の成長につながる──そんなメッセージも感じられます。
MCの支配星である海王星が10ハウスに回帰していることから、
得られるものが実態を伴わない肩書や共感だけになる可能性も。
あるいは、一過性の“バズり”として表出するかもしれません。
そうだったとしても、簡単に手にできるものではなく、試行錯誤の苦労と葛藤の末にようやく手に入れられるものになりそうです。
⑧ その他の気になるポイント─木星の動きと心の変化
ASC近くにある木星が気になったため、太陽回帰図・出生図・トランジットの3重円で確認してみました。
トランジットの木星は5月半ばに太陽回帰図のASCに重なります。
昨年のペットロスを引きずっていて、今は何もやる気が起きない状態ですが、
このタイミングには、少しずつ楽観的な展望を持てるようになるかもしれません。
8月半ばには、トランジットの木星が出生図のMCに重なります。
前回この配置だった時は、記憶に残る出来事はなかったものの、人とのつながりが広がり、社会に居場所が増えて楽しい時期でした。
木星の拡大・発展は“掛け算”──漫然と過ごすと実感は薄くなる。
だからこそ、ASCに木星が重なるタイミングで、社会への打ち出し方を変えてみようと思っています。
2.境界線の緩みと“多様な他者”との関わり
出生図で冥王星がライジングしている私は、「支配やコントロール」の気配に敏感です。
実際には相手にそのつもりがなくても、私にはそう感じられてしまい、自己防衛的に接してしまうこともあります。
普段の私は、心の境界線をはっきり引き、自分の価値観に合わない人をシャットアウトしてしまう傾向がありますが、2025年の太陽回帰図を見ると、その境界線が少し緩んでくるような気配があります。
双子座ASCは“言葉”や“交流”を象徴するため、書いたり話したりする活動が増えそうです。
それが、出生図のMCにトランジットの木星が重なるタイミングで“バズる”可能性も。
普段関わらないような多種多様な人たちがなだれ込んでくるような展開もありそうです。
価値観の違う相手とのコミュニケーションにメンタルを削られることもあるかもしれませんが、それもまた成長のためのプロセスなのかもしれません。
3.まとめ─“言葉を通して社会と向き合う”1年
今はまったくその気はないのですが、社会的弱者や犠牲者のケアや援助活動に、今後関わっていく可能性もありそうです。
その方向に進むための準備が、すでに始まっている──そんなふうにも受け取れる太陽回帰図でした。
この1年は、言葉を通して社会と向き合い、理想と現実のギャップに葛藤しながらも、
自分の在り方を問い直し、少しずつ境界線を緩めていく──そんな成長の予感に満ちた配置だったように思います。

 
  
  
  
  
